我が家は、私が社会人になってから毎日新聞を購読しています。当時は全国紙の中でも、今のように政権に忖度する2紙も中道を行っていたと思います。ただし、1紙だけはかなり左寄りで、その中で、毎日新聞は中道を維持して、日本新聞界の権威である「新聞協会賞」を協会加盟の全国紙で最多受賞しています。私は、コラムの「余録」には必ず目を通しています。編集長で、関西の芸能・文化に造詣の深い近藤勝重さんが、93年4月に週刊誌の「サンデー毎日」に移動した時は、毎週読んだものです。孫が小学4年生になった時、販売店に勧められ「毎日小学生新聞」を購読し始め、孫も我々大人も読みました。題名は小学生新聞ですが、内容は高度で、分かりやすい時事、歴史、心理、社会や、有名私立中高の入試問題も紹介していて、大人も充分に楽しめる内容がぎっしりです。この小学生新聞には「毎小特派員」の欄があります。今から8年前に、小学6年生の大久保百合花さんが記者になり、会いたい女優さん比嘉愛未さんを訪問しました。大久保さんは、比嘉さんが出演していたTVドラマ「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」を見て訪問しました。毎小新聞の1面「あの人に会った」(2011年7月24日号)で比嘉さんとのインタビューが掲載されています。私も毎小特派員の記事は好きで、毎回目を通しています。コード・ブルーはフジテレビのドラマで、今年の7月に劇場版が公開されていました。ドラマの中で比嘉さんは、豊富な医療知識と高い技術を持つフライトナース役を演じています。大久保さんは小さい時から、医者になりたいと漠然とした夢を持っていましたが、医師の仕事を頭の中に描けなかったようです。しかし、インタビューの中で比嘉さんに「私は緊急救命医フライトドクターになりたい」と告げ、比嘉さんも「頑張ってね」と紙面で返していました。今年の7月24日の毎小新聞に、18歳になった大久保さんが再度登場しました。今春、東京女子医大医学部に合格して、比嘉さんと握手している写真が掲載されていました。大久保さんは「7年前に比嘉さんが背中を押してくれました。」と話し、比嘉さんは「10年間、医療シーンで代役を立てずに撮影に臨み、大変な役であったが、私を見て初心貫徹してくれた。この仕事をやっていて良かった。一番のパワ-になります。」と話していました。現役で医学部に合格するには生半可な勉強では合格しません。
勉強には、譜代と外様があります。譜代は、大久保さんのように幼少の頃から、目に焼き付いた目標に向かって、他に目もくれずに勉強します。外様は受験期が迫ってきた時から猛勉強をします。多くはこのタイプです。悪いわけではありませんが、難関国家試験(医師・弁護士等)や上級公務員試験(キャリア等)は外様では合格困難です。一夜漬けでテストに臨み、点数は取れても、同じ問題を1ヶ月後に再度テストすると、一夜漬けの生徒は前ほどの点数が取れません。証明した分析もあります。一夜漬けは外様、計画的に普段から取り組む生徒は譜代です。譜代・外様理論は勉強だけではありません。今年のワ-ルドカップに出場していたサッカー選手は、小学生の頃から憧れの選手を目標に努力を重ね、夏の甲子園に出場していた選手も憧れのプロ野球選手を目標に猛練習を積み上げたに違いありません。彼等は運動の譜代です。私の友人の息子さんは、小学4年生の時、アトピ-に罹り医療の道に興味を持ちました。中学3年生の時、網膜剥離になり、この時、医師になり原因を確かめたいと心に決め、猛勉強の甲斐あって、治療してくれた大学の医学部医学科に合格しました。彼は今、大学病院で網膜剥離にならないための研究と、患者さんの治療の毎日です。目標達成には譜代でなければ・・・
私達の職業は、生徒に学習の習慣を身に着けさせ、身を助ける知識を習得させる事が仕事です。譜代になるためには、時間と成し遂げる精神力がないと難しいものです。早めの決意が必要です。安易な一夜漬けの外様になっていないか?自分の人生を顧みて見ませんか?
掉尾を飾ろうではないか!(典)