明けましておめでとうございます。「今年も2674年の朝日が昇り、いい年にしたいものです。」この言葉を若い諸君は、何の数字と思われるでしょう。2674年は何か?今年は西暦2014年ですが、この西暦はキリストが誕生した年から数えての年月です。日本には主に戦前に使用されていた皇紀(こうき)があります。皇紀の元年は神武天皇が即位された、紀元前660年2月11日(2月11日は旧の紀元節、現建国記念日)より数えた年数で、今年は2674年にあたります。戦後日本人は一に西洋、二に欧米、といった調子で何でも外国のものが良いと思う風潮があり、皇紀も忘れ去られて行きました。しかし、日本には歴史があります。アメリカの建国は238年前の1776年です。日本はアメリカの10倍以上の重き伝統を有しています。医学、科学、アートにおいては、西洋の知識を取り入れて学問させる世の中ですから、ある程度仕方がないと思いますが、日本古来のものも忘れてほしくないものです。

 もう少し皇紀について話しますと、皇紀2600年(昭和15年、西暦1940年)当時の日本政府は、日本が長い歴史を持った偉大な国である事を内外に示すために、様々な計画を立てました。その一つが、第12回夏期オリンピック東京大会でした。昭和11年に国際オリンピック協会(IOC)で決定しています。また、第5回冬期オリンピック、紀元2600年記念日本万国博覧会と、国威高揚の機会、国力の対外的誇示の機会でもありました。国際的イベントをこの年に合わせて開催しようと、当時の政府は計画しました。しかし、1937年から始まった日中戦争の長期化に伴い、いずれも実現しませんでした。それでも1940年11月10日には内閣主催の「紀元2600年式典」が盛大に繰り広げられたとの文献が残っています。我々が耳にする零式艦上戦闘機(通称ゼロ戦)は皇紀2600年の下二桁の00をとり、ゼロ戦と名付けられました。ゼロ戦はアニメ映画「風立ちぬ」でも最近見ました。ちなみに昭和天皇は124代天皇で、西暦1989年から今上(きんじょう)天皇の平成となりました。「皇紀」は忘れてもらいたくない、日本の年号です。

 日本には歴史があり、風習があり、日本人の魂があります。其々の家庭にも歴史、風習、魂があると思います。我が家にも伝統の正月の儀式があります。前にも話しましたが、元旦の「歯がための儀式」から始まります。伝統の家庭料理や、ありがとうの言葉、合理的な時間の使い方等が、我が家のしきたりです。皆さんの家庭にもあると思います。

 我が社にも受け継がれる精神があります。専修学院の三是、努力・集中・真剣です。専修学院は前身の児童館スク-ルから数えて、昨年の8月に40年を迎えました。創業以来、努力・集中・真剣を職員にも生徒にも企業魂として共に歩んできました。今年の正月にはもう一度、家庭のル-ル、会社の魂を再確認して貰いたいものです。40年の歴史を積み上げて行くのも君達であり、大きく膨らませるのも君達です。これも忘れないで欲しい。

 皆さんは初詣に出かけられましたか。清い気持ちで、霊験あらたかな神社にお参りする、これも日本の歴史文化です。神様にお賽銭を捧げ、大願成就をお願いします。我々の仕事は生徒を本命とする学校に合格させて、ナンボの世界です。その為の努力・集中・真剣なのです。「あとは神頼み」と言いますが、初詣で神様に手を合わせ、祈願して終わりではありません。手を合わせて、神様と約束をするのです。「私は○○校に合格するために、精一杯の努力をします。勉強の時間も増やします。○○もします。だから合格させてください。」神様と自分との約束で、契約なのです。約束を破れば契約は破棄されるでしょう。勉強だけではありません。何かを頼むならそれに見合った努力と引き換えに契約が結ばれます。ただ祈るだけが参拝ではありません。我々日本人には長い歴史と伝統があります。自信を持って家庭のお願い、会社のお願い、身の回りのお願いをしてください。契約を結んでください。自分と神様の間に。これも忘れないで欲しい。(典)